「頭金がないから家が買えない」は本当?|住宅購入に新しい可能性をもたらす『譲渡型賃貸』とは 

「いつかはマイホームを持ちたい」と考えている方の多くが、最初の壁として感じるのが「頭金」の問題です。
「貯金がまだ十分じゃないから」「頭金がなければ住宅ローンの審査に通らないかも」――
そんな不安から、住宅購入をあきらめたり先延ばしにしてしまうケースも少なくありません。
しかし、今は住宅取得の方法も多様化しており、頭金を用意できなくてもマイホームを目指せる仕組みが登場しています。
そのひとつが、今回ご紹介する『譲渡型賃貸(マリアージュ賃貸)』です。
この記事では、住宅購入における頭金の重要性や課題、そしてその代替となりうる譲渡型賃貸について詳しく解説します。
頭金はなぜ必要とされるのか?
まずは、住宅購入において「頭金」が求められる理由を見ていきましょう。
一般的には、物件価格の10〜20%を頭金として用意することが望ましいとされています。
たとえば3000万円の物件であれば、300〜600万円が目安となる金額です。
主な理由:
- 借入金額を減らせるため、月々の返済額が軽くなる
- 金利優遇を受けられるケースがある
- ローン審査で有利になりやすい
そのため、住宅購入に向けてコツコツと貯金を続ける方が多いのが現状です。
しかし、実際には次のような現実的な問題に直面する方も少なくありません。
「頭金を貯める時間」が逆に損になる?
仮に、年間50万円ずつ頭金を貯めていったとして、300万円貯めるのに6年かかるとしましょう。
その6年間で、以下のような変化が起きる可能性があります:
- 住宅価格の上昇(特に都市部では顕著)
- 住宅ローン金利の上昇(金利が0.1%上がるだけでも総返済額に大きな差)
- 物価上昇により生活費・教育費も増加
つまり、頭金を貯めている間に住宅購入のハードルがむしろ高くなってしまうケースがあるのです。
そのため、今の家計状況で無理なく家を持つ方法を探す方が、結果的にお得になることもあります。
頭金が用意できない方への新しい選択肢『譲渡型賃貸』とは
こうした背景の中で注目されているのが、譲渡型賃貸住宅(別名:マリアージュ賃貸)という仕組みです。
概要:
一定期間、賃貸契約で住み続けた後に、住宅の所有権が入居者に無償で譲渡されるという制度です。
つまり、住宅ローンも頭金も不要で、最終的には自分の家を持つことができます。
主な特徴:
- 契約時に頭金やローン契約が不要
- 契約期間中は賃料を支払う
- 契約期間満了後、住宅が無償譲渡される
- 原則として途中解約も可能(条件あり)
この制度により、「家賃を払いながら住宅取得の準備ができる」環境が整うため、将来設計が立てやすくなるという利点もあります。
どんな人に向いている?
譲渡型賃貸住宅は、以下のようなニーズを持つ方に特に向いています。
- 住宅購入を検討しているが、頭金を用意するのが難しい
- ローン審査が不安で住宅取得に踏み切れない
- 将来的には持ち家を望むが、まずは賃貸でスタートしたい
- 子育てや介護など、ライフステージの変化に柔軟に対応したい
また、ローン返済のプレッシャーを感じることなく、家計に見合った住まい方を選べる点でも、多くの方に支持されています。
譲渡型賃貸と一般的な賃貸・購入の違い
項目 | 通常の賃貸 | 住宅ローン購入 | 譲渡型賃貸 |
---|---|---|---|
初期費用 | 敷金・礼金など | 頭金・諸費用 | 敷金程度(頭金不要) |
毎月の支払い | 家賃 | ローン返済 | 家賃(のちに所有権譲渡) |
将来的な所有 | 不可 | 可 | 可(無償譲渡) |
ローン審査 | なし | あり | 原則なし |
このように、譲渡型賃貸は賃貸の柔軟性と購入の資産性を兼ね備えた仕組みといえます。
まとめ|「買えない」ではなく「選べる」時代へ
頭金の問題で住宅購入をあきらめていた方も、今は選択肢の幅が広がっています。
譲渡型賃貸住宅は、「まずは賃貸で生活をスタートし、無理なく持ち家へシフトする」ための有効な手段です。
「本当に自分にも家が持てるのか?」とお悩みの方は、ぜひ一度、こうした新しい制度について情報収集してみてください。
当社では、譲渡型賃貸を含むさまざまな住宅取得支援制度をご紹介しています。
物件情報や制度の詳しいご案内をご希望の方は、ぜひお気軽にご相談ください。